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2003年12月ログ。   

 今年の紅白には麻布大学野鳥研究部が出場しないことが決まった。

 話によると、彼らは昨年まで10年連続で出演していたらしい。部員は今年も紅白に出るつもりだっただろう。というより、最初から紅白に出たくて入部した人がほとんどなのではないだろうか。だいたい「よーし、大学に入ったら心ゆくまで野鳥を数えるぞ!」って思ってる人がいたとしたら、少しおかしいと思う。いや、いろんな趣味の人がいるから、そういう人も居るだろうけど、多数派ではない気がする。少なくとも、新入生勧誘の時には「紅白に出られるよ!」って言って部員集めしてるだろう。

 検索してみたところ、野鳥を趣味とする人の中でも、カウンタを使って野鳥を数えるのは一部の人達だそうだ。ということは、推測ではあるが、例え野鳥好きが集まっているサークルだとしても、カウンタを使いこなす人が何人も居るなんてことは無いのではないか。メンバーも毎年入れ替わっていくだろうし。

 やっぱり実態としては紅白に出るための部活動だったんじゃないか。もしかしたら紅白用にカウンタの練習してたんじゃないか。別に野鳥とか関係なく、ひたすらカウンタの練習をする学生達。紅白に出場する選抜メンバーに選ばれるために多数のライバル部員とカウント精度を競い合う。

 なんとなく体育会系っぽい。選抜メンバーは、おそらく通例として紅白出場歌手の発表に合わせて発表されるはずだ。主将が読み上げるメンバー表。選ばれた部員は歓喜の涙を流す。よみがえる様々な思い出。紅白を目指して部室のドアをノックした日。カウンタの押し過ぎで指にできたカウンタダコ。雨の日の交通量カウントのバイト。居酒屋でライバルと戦わせたカウンタ論。先輩が卒業する時にくれたオペラグラス。マネージャーに抱いた恋心。俺が紅白に出られたら付き合ってください。よりいっそう熱がこもるカウンタ練習。そして今、ついに。

 ところが今年、12月も末になって主将が部員を招集。涙ながらに語り出す。今年の紅白には出られません。突然の知らせに部員は絶望し、何も信じられなくなってしまう。人との交わりを避け、山にこもる。死のう。ふと空を見上げる。そこには自由に飛び回る一羽の野鳥。あふれ出す涙。癒される心。


 クリスマスなんでロマンチックな話をしますよ。

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 宝石商をしている友人に聞いたのだが、最近アメリカでダイヤを高温・高圧で圧縮する新技術が登場したそうで、その技術を用いると、クズみたいなダイヤが天然では有り得ないくらい高純度なダイヤに生まれ変わるらしい。もちろん、そうして作られたダイヤはニセモノ扱いなので低価格で取引されることになる。「今までダイヤに手が届かなかった若者向けに、入門用的な位置づけで出回ることになるだろう」とか言ってた。

 でも、それってどうなんだろう。ダイヤって、一応は「キレイだから」価値があるってことになってるんじゃないのか。若者達が安価で輝くダイヤを身につけ、年寄りは天然物の曇ったダイヤに高い金を払い、ありがたがって身につける。何だか寓話めいている。裸の王様みたいな話。

 結局なにが言いたいのかというと、「ダイヤはキレイだから価値がある」って信じている俺の心が一番キレイだっていうこと。

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 ロマンチックな話をするつもりが、ただのアピールになってしまった。


 「宝くじは買わない」という歌がある。たーからーくじーは買ーわないー。だってーぼーくーはー、おかねーなんーかー、いーらーないんーだー。

 まあ、お金はいるんだけど、俺も宝くじは買ったことない。高潔な魂を持っているから。

 宝くじって、どうなんだ。ただ数字が並んでいる紙きれを買って幸運を祈るだけ。そこには何の戦略性も無い。ひたすら運に頼る娯楽。そんなの面白いか。運にすがる庶民が夢を買う行事。そんなものに俺は参加したくない。宝くじを買わない高潔な魂。「武士は食わねど高楊枝」って、そういうことだろう。

 と、格好つけてみたものの、日々の暮らしを顧みる。俺が庶民でなくて誰が庶民だ。少々の金のために限りある人生を切り売りし、やりたいこともできない毎日。買いたい物は星の数ほど。あぁ、3億あったなら。

 やっぱり宝くじ買ってみるべきだと思う。むしろ俺こそ宝くじにふさわしい庶民。もしかしたら武士だって宝くじくらい買ったんじゃないかな。メシ食わないで高楊枝くわえて宝くじ買ったんじゃないかな。宝くじのことを考えてたら、だんだん気持ちが盛り上がってきた。今すぐ宝くじを買うべきだ。宝くじ買うことを決意した高潔な魂。3億当たったらどうしよう。1億使ってもまだ2億。考えただけで興奮する。あぁ!宝くじ!宝くじ!宝くじバンザイ!

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 ということで、買おうと思ったら年末ジャンボは昨日で販売終了したらしい。悪いんだけど、そういうことはもう少し早く言ってくれないか。ムダに盛り上がったまま行き場を無くして呆然と立ちつくす高潔な魂。


 知り合いで、ピアノを弾く人が居るんですよ。

 ハイソな知り合いが居ることを自慢してごめんなさい。これからもチョコチョコこういう自慢を入れていこうと思います。まあそれは置いといて、そのピアノを弾く人が、この間、サックスを吹く人のライブに出たって言うんですよ。セッションだか何だかで。それで4人だか5人だかの編成だったらしいんですけど、どうもその中にカスタネットを叩く人が居たらしくて。それで、最初の練習で紹介された時に、どういう経緯でセッションに参加することになったんですか?って聞いたらしくて。

 そしたら「カスタネット協会から派遣されてきました」と。そういうことらしくて。それを聞いた俺は、すごいな、と。カスタネット協会なんてあるのか、というか、そもそもカスタネット専門の人って居るんだ、というところに感心してしまって。「カス協」って言うらしいですよ。カスタネット協会。

 そしてカスタネットの腕前がすごいらしくて、演奏が始まったら、もう尋常じゃない数の音が鳴ってたって。ジャラララララーン!カカカ!ジャジャン!タンタタン!タタタタタタ!とか。もうね、俺みたいなボンクラが想像するカスタネットって、ウン、タン、ウン、タンとかですよ。打って、休んで、休んで、みたいな。赤と青のやつ。普通、赤と青じゃないんですってね。カスタネット。

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 カスタネットひとつ取ってみても俺とは交わらないハイソな人々。なんか気持ち悪いので距離を置いて付き合いたいと思う。


 びっくりドンキーが好きだ。

 夜中まで遊んだ時はドンキーに行かないと気が済まない。最近は少し抑え気味だが、以前はほとんど毎日行ってた。一晩に2軒のドンキーをハシゴしたりしてた。友人達から「あいつはドンキーに住んでいる」と陰口をたたかれ、「ドンキー、ドンキー、雨、ドンキー」というキャッチフレーズを付けられるほど入り浸っていた。

 そんなドンキージャンキーがお届けする新情報。この間、ドンキーに行ったら「健やか茶房」という新メニューが登場していた。杜仲茶、モロヘイヤ茶、アガリクス茶など、健康指向っぽいお茶15種類。各種160円。感想のアンケートをとってたので、まだ一部店舗でテストしている段階なんじゃないかと思う。

 そこで、友人を集めて15種類のお茶を全て飲んできたのだが、ウコン茶と目薬の木茶がひどかった。簡単に言うと、ウコン茶は古ぼけた旅館のふすまの敷居みたいな香りがする。目薬の木茶は、技術の授業で本棚を作った思い出がよみがえる香り。

 金を払ってまでこんな苦行のような思いをする必要は全く無いので、みなさんは160円も払って注文してはいけない。どうしても、という方は御旅行の際に古ぼけた旅館のふすまの敷居をなめてみてから御再考いただきたい。あと、お茶の飲み過ぎは体に悪いと思った。

 おっさん壁紙にMr.ボールド(2枚目)追加。


 最近、道路公団の改革に関するニュースが多い。

 その中に、よく「既得権益」という言葉が出てくる。公団OBの天下り先として存在するファミリー企業。必要ない道路の建設計画をあてにする土木業界。雇用との密接な関係もあるので単純な問題では無いが、税金が一部の人達の利権を守るためだけに使われているとするならば面白くない話だと思う。

 一方、民間レベルにも既得権益の問題はある。卸売業界なんかもその一例だ。物流や情報網などのインフラ整備がこれだけ進み、さらに流通の仕組み自体も変革期を迎えている中で、二次・三次の問屋は本来であれば淘汰されるべきなのだが、無視できない数の企業がそこで既得権益を有しているために改革が進まない。多重の中間マージンは巡り巡って消費者が負担することになる。もしかしたら他にも、気付かないところで企業の既得権益を守るために一般の人々が負担を強いられている部分があるのではないだろうか。

 俺はミシンがあやしいと思う。だいたいミシンって、作業前の準備が複雑すぎる。

 ミシン右上の棒みたいなところに糸を入れて、いったんミシン左上の方でひっかけてから針の方へ下ろし、そこで針穴に通すかと思ったらフェイントで、一旦ひっかけて何故かまた上にあげ、上でひっかけて再び下げて、針の少し上のところでひっかけて、ここでやっと針穴に入れて、ひづめみたいなところにひっかけて後に回す。そこで終わりかと思ったら甘い。最も面倒な下糸の準備が待っている。

 なんでそんなにひっかけるんだ。絶対おかしい。たぶん、糸をひっかける場所ごとに、そこの部品を作っている業界があって、既得権益にしがみついてるんだと思う。とりあえずボビン業界あたりが無くなれば、かなりラクになるのではないだろうか。もう負担はウンザリだ。今こそ声を上げよう。ミシンは我等のものだ。


お知らせです。
 久々に、牛角インサイダー情報をお寄せ頂きました。9/9に御紹介した、うそくさいフォアグラの入っている「月見ライス」というメニューが、12月頭に消えそうだ、とのことです。フォアグラファンの方々、お急ぎください。もう間に合わないかもしれませんが。

 あと、編み物ファンの方々、お待たせしました。アンデミルミルのページを作ってみました。よろしければこちらへどうぞ。→編み物しようぜ

 誰も待ってなかったような気がします。


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