2003年12月27日ログ。 |
●2003/12/27今年の紅白には麻布大学野鳥研究部が出場しないことが決まった。 話によると、彼らは昨年まで10年連続で出演していたらしい。部員は今年も紅白に出るつもりだっただろう。というより、最初から紅白に出たくて入部した人がほとんどなのではないだろうか。だいたい「よーし、大学に入ったら心ゆくまで野鳥を数えるぞ!」って思ってる人がいたとしたら、少しおかしいと思う。いや、いろんな趣味の人がいるから、そういう人も居るだろうけど、多数派ではない気がする。少なくとも、新入生勧誘の時には「紅白に出られるよ!」って言って部員集めしてるだろう。 検索してみたところ、野鳥を趣味とする人の中でも、カウンタを使って野鳥を数えるのは一部の人達だそうだ。ということは、推測ではあるが、例え野鳥好きが集まっているサークルだとしても、カウンタを使いこなす人が何人も居るなんてことは無いのではないか。メンバーも毎年入れ替わっていくだろうし。 やっぱり実態としては紅白に出るための部活動だったんじゃないか。もしかしたら紅白用にカウンタの練習してたんじゃないか。別に野鳥とか関係なく、ひたすらカウンタの練習をする学生達。紅白に出場する選抜メンバーに選ばれるために多数のライバル部員とカウント精度を競い合う。 なんとなく体育会系っぽい。選抜メンバーは、おそらく通例として紅白出場歌手の発表に合わせて発表されるはずだ。主将が読み上げるメンバー表。選ばれた部員は歓喜の涙を流す。よみがえる様々な思い出。紅白を目指して部室のドアをノックした日。カウンタの押し過ぎで指にできたカウンタダコ。雨の日の交通量カウントのバイト。居酒屋でライバルと戦わせたカウンタ論。先輩が卒業する時にくれたオペラグラス。マネージャーに抱いた恋心。俺が紅白に出られたら付き合ってください。よりいっそう熱がこもるカウンタ練習。そして今、ついに。 ところが今年、12月も末になって主将が部員を招集。涙ながらに語り出す。今年の紅白には出られません。突然の知らせに部員は絶望し、何も信じられなくなってしまう。人との交わりを避け、山にこもる。死のう。ふと空を見上げる。そこには自由に飛び回る一羽の野鳥。あふれ出す涙。癒される心。
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