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2003年09月11日ログ。   

●2003/9/11

 昨日、「宇宙飛行士になるには誰とでも仲良くできる能力が必要」ということを書いたが、そう言えば潜水艦乗務員の適正として最も求められるものも「協調性」らしい。何ヶ月か前にNHKで海上自衛隊の潜水艦を取材していた時、インタビューを受けた潜水艦乗務員が言っていた。

 あと、「短気でないこと」も重要だとか。密室での長期間に渡る業務をこなすには不可欠な要素なのだろう。潜水艦の場合、ひとたび海に出れば何ヶ月も同じメンバーで過ごすことになるから、ケンカっぱやい奴なんかが居たら目も当てられない状況になってしまう。

 しかし、のん気で協調性のあるメンバーばかりが100人単位で集まっている状況というのは、どうなんだ。やたらみんな優しい感じ。それ俺がやっとくわ、とか、面倒だったら明日もカレーでいいよ、みたいな事ばっかり言ってたり。

 ミスにも寛大。短気な奴が居ないから誰も怒らない。酸素切れた?いざとなったら水面まで上がればいいじゃない。気にするなって。食料切れた?魚でも捕ればいいじゃない。大丈夫だって。え?ミサイル飛んできたの見逃しちゃった?しょうがないじゃない。ドンマイドンマイ。あぁ、穴あいて水が入っちゃった?いいよいいよ。誰のせいでも無いって。

 艦内の水位が上がってくる。絶望的な状況の中、艦長が最後の挨拶。

「なんかもうダメみたいだな。みんなは本当にダメな隊員だった。でも俺は、そんなみんなが大好きだった!」

「艦長!」
「艦長!」

 

 金八の最終回みたいなセリフで終焉を迎える潜水艦。しかし涙ひとつ無く、全員笑顔のまま。

 



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