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2003年07月07日ログ。   

●2003/7/7

 今朝、NHK教育で「100語でスタート!英会話」という番組をやっていた。

 新聞のテレビ欄でタイトルを見掛け、100語でスタートできるなら自分にも何とかなるのではないかと思い早速チャンネルを合わせると、髪を緑に染めたハイテンションな外人男性と、10代と思われる日本人女性タレントが簡単な英語で会話している様子が映し出された。軽快なやりとりを見ながら楽しく学習しようという番組のようだ。今日は「write」の使い方を勉強していた。果たしてそのレベルから100語でOKなのかという疑問は残るが、明るい雰囲気に満ちた番組の作り自体には好感が持てる。有意義な時間を過ごしたなと思いながらエンディングテーマを聞いていると、すぐに次の番組が始まった。

 「いまから出直し英語塾」

 もう、胸をえぐるようなタイトルだ。「100語でスタート!」といった勢いは感じられない。よく考えてみれば、100語でスタート、などという言葉に心を躍らされてしまったが、俺に求められているのはスタートじゃない。出直しだ。さっきまでの楽しい気持ちも冷め、ツラい気持ちに。

 番組が始まると、さらにツラさは増した。笑ゥせぇるすまんに出てくるバー「魔の巣」みたいなセット。暗い画面の中央、カウンターに気怠い雰囲気で腰掛けている香坂みゆき。隣にはテーブルに突っ伏している男。マスターの扮装をした講師が語りかける。「お客さん、看板ですよ。」
 なんか人生すっかり裏街道といった趣き。画面全体を覆う、出直そうというムード。英語とか何とかより、全てやり直そう。そんなメッセージすら感じる。

 小芝居が終わり、講座部分が始まる。今日のテーマは「英語で俳句を楽しもう」。感じた事を英語で5・7・5の韻律に収めてみよう、という課題。英語と俳句という取り合わせに、英語をやり直そうという気持ちはあるけど自分の土俵で勝負したい、といった臆病な大人達の性根が表れてしまっている。彼等は英語を身につけられなかったせいで、心まで汚れてしまったのだ。

 悲しくて見ていられなかったのでチャンネルを変えてしまったのだが、あの番組、どうなっただろう。そして来週からどうなっていくのだろう。彼等は、やり直せるだろうか。日の当たる世界に戻れるだろうか。自らの汚れた心に気付くだろうか。失った輝きを取り戻せるだろうか。

 また興味が英語からズレてしまった。本当は英語なんてどうでもいいのかもしれない。

 



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