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2003年07月31日ログ。   

●2003/7/31

Subject:ファンとして申し上げます。
To:石川浩司様
From:ビューティー

拝啓 梅雨明けて息つく間もないこの暑さでは誠にたえがたいと存じますが、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。えぇと、梅雨って明けたんですかね。北海道には梅雨が無いのでわからないのですが。直子に代筆させたため、適当な事を言ってしまったかもしれません。

 「さよなら人類」で知られるたま、そして「たまのランニング」として山下清のような出で立ちで知られる石川様。とかくイロモノ的な取り上げられ方の多い貴方の、音楽性それ自体に魅せられ、たまの紡ぎ出す音楽を追いかけ続けてもう十数年の歳月が流れました。その間、他の音楽に浮気をした時期はありますが、たま、そして石川様の作品を愛する気持ちは誰にも負けないと自負しております。

 CDセールスが全盛期の1/100になってしまった今でも、貴方は僕にとっての、たったひとりのスーパースターなのです。スマップで言えばオンリーワンであり、さらにナンバーワンなのです。ことわざで言えば盆であり、さらに正月なのです。キンキキッズで言えばシンデレラであり、さらにクリスマスなのです。

 それなのに。

 

 何ですか、この企画は。

「石川浩司のなんじゃもんじゃ会」
・会場は自宅の部屋、公民館、カラオケボックス、喫茶店など多少音を出しても平気な所ならどこでもOK!!
・出演料は一律5万円です。
・普通のフォークギターを一本だけ用意して下さい。誰かの家の物置に眠っているような物でいいです。

 どんなに生活が苦しくても、貴方はスーパースターなのです。一ファンの自宅にノコノコと顔を出してしまってはいけない人間なのです。もちろん石川様がつげ義春のようなフラフラとした生き様を愛していることは理解しているつもりではおります。きっと金のためというよりも、そういった旅情的なものを求めておられるのでしょう。でも、自分の部屋につげ義春が来たら悲しくなりませんか。いや、例えが悪いですね。もし貴方の敬愛するジョン・レノンが自宅にやって来て、物置にあるフォークギターで歌ったら。きっと嬉しいけれども複雑な気持ちになるのではないでしょうか。

 そして5万円という金額も手近過ぎるのです。数人で出し合えば何とかなってしまう金額です。もし僕の誕生日なんかに友人達がお金を出し合って、僕に内緒で石川浩司を呼んだとしたら。おそらく僕は激怒し、その場に泣き崩れるでしょう。たぶん本当のファンならば、僕でなくとも同じリアクションをとると思います。そんな場面に居合わせられますか。僕は貴方が困る顔を見たくないのです。

 

 さて。

 いろいろ書いてしまいましたが、あまりお気になさらないでください。本当は、心臓の弱い貴方が誰かの自宅で、場を盛り上げることが出来ずにあたふたしている様を想像して心配になっただけなのです。僕は石川浩司が石川浩司であってくれるだけでよい、そう思っているのです。この企画を目にした時も、少し落ち込みましたが「あぁ、石川さんらしいなぁ」と感じたのです。これからも気の向くままに活動を続け、僕たちを驚かせてください。11月に行われるパスカルズ名義でのフランスツアー、さすがにフランスまでは見に行けませんので、サイトでの御報告を楽しみにしております。

敬具

 



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