/  TOP  / 

2003年06月07日ログ。   

●2003/6/7

 札幌では今、「よさこいソーラン祭り」というイベントが開かれている。高知の祭りをパクったもので、チームでの踊りの優劣を競う祭りだ。今では400を超える団体が参加する、全国でも有数の踊りフェスティバルらしい。

 俺は生来の照れ屋なので、人前で満面の笑みを浮かべながら踊る人達にイマイチ共感できなかったのだが、ふと「もし自分がどこかのチームに所属したなら」と想像してみた。

 たぶん、俺のことだから練習はサボりがち。踊りを覚えるのも他の人よりかなり遅そうだ。ある日の練習終了後、女リーダーに「ちょっと話があるから残って」と言われる。

 「真面目にやってくれない?こんなことで本番に間に合うの?」

 自分でもわかっていた事だけに、何も言えない。さらにリーダーは続ける。

 「みんな必死なんだよ!どうしてわからないの!?」

 リーダーは肩を震わせている。その目から涙がこぼれる。どうして俺は気付かなかったんだろう。みんなの想い、リーダーの想い。リーダー、ありがとう。ごめんね。こんなに必死で頑張っているリーダーのことが急に愛しくなる。近づく距離、触れる指先、流れる沈黙、深まる絆、マンツーマンでの猛特訓、本番でセンターを張る俺、輝く優勝旗、号泣の打ち上げ、そっと告白、二人の朝。

 できる。絶対、満面の笑みで踊れる。俄然、よさこいソーラン祭りに興味が湧いてきた。

 



 /  TOP  / 

 

TOP