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2003年6月ログ。   

 

●2003/6/30

 父から面白リポートがあったので、そのまま報告。
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 昨日、工事の仕事があったから長沼に行ったのよ、長沼町。で、昼メシ食おうと思ったんだけど田舎だから全然そういう店が無いのよ。全然。それで困ったなぁと思ってたらよ、一軒だけ定食屋があったんだ。なんか汚ねぇ店構えでよ、イヤな予感はしたんだけど、しょうがねぇから入ったんだ。その定食屋にな。そしたらジイさんとバアさんが二人で居てな、いらっしゃいませって。言うんだ。二人で。でな、椅子に座って何食おうかなってメニュー見ようと思ったらよ、メニュー無いんだよ。無いんだ、メニュー。まぁそういう事もあるかと思ってバアさんの方に聞いたら、これとこれとこれが出来ますって。三つしか無いのよ。メニュー。何だか忘れたけど。それでカツ丼あるって言うからカツ丼頼んだんだけどよ、ジイさんの方が何か冷蔵庫から魚だしてきて切ろうとしてんだよ。カツ丼って魚は使わないよな。おかしいなと思ってたらバアさんがさ、あんたあっち行ってな!って。怒ってんだ。ボケてんだ、ジイさん。なんかちょっと震えてたしな。手とかな。それでバアさんの方がよ、カツ丼作ったんだけど今度はな、さっき追っ払ったジイさんをまた呼んでんだよ。ジイさん!ジイさん!って。見てたらよ、バアさん動けねぇんだよ。足がわりぃんだ。バアさんの方は。カツ丼はな、意外とうまいの。うまいって言うかバアさんが作ったメシを家で食ってる感じよ。あれ、行政指導とかしなくていいのかね。
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 笑えなかった。

●2003/6/29

 札幌に居ると、有名人を見掛ける事なんてほとんど無い。

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 高校の修学旅行の時、東京で丸一日自由行動の日があったので、ベタだなとは思いながら仲間と一緒に皇居に行った。芝生にあった「この芝生には入らないでください」という立て看板に、「間違って一歩でも踏み入れようものなら即座にあちらこちらから黒ずくめの屈強な男達が飛んでくるに違いない」とビクビク怯えながらグルっと一回りして、さあ帰ろうと有楽町の駅へと戻る途中にニッポン放送のビルがあった。すごいなぁ、芸能人とかも来るんだろうなぁと、田舎者丸出しでその玄関をバックに記念撮影をしていたところ、仲間の一人がボソっとつぶやいた。

 「あ、峰竜太だ」

 後ろを振り返ると、ビルの中から見慣れた顔がこちらへ向かってきた。本当だ、峰竜太だ。アッコにおまかせで、まかせてる人だ。すげぇ。本物だ。

 受付の女性に丁寧に頭を下げ、俺の横を通り抜け有楽町の街へ消えていく峰竜太。今の俺なら「すみません、竜雷太さんですよね」とジャブのひとつも投げかけるところであるが、初めて芸能人を見て舞い上がっている札幌の高校生にそんな機転など望むべくもない。胸の高鳴りを抑えながら峰竜太の後頭部を見送るのが精一杯であった。

 夕方になり集合場所の上野駅に戻ると、早速みんなに「峰竜太を見た」という自慢話を存分にした。見たのが峰竜太という点であまり羨望を得られなかったが、思ったより小さかったよ、腰の低い人だったよ、一瞬だけど目が合ったよ、と一通りの説明を終え優越感に浸っていると、それを聞いていた友人のひとりがため息混じりに口を開いた。

 「いいなぁ、せっかく東京に来たのに俺なんか稲川淳二のそっくりさんショーを見掛けただけだった」

 負けた、と思った。本物の稲川淳二であれば峰竜太と大差無い。めでたくもありめでたくもなし感はタイであると言える。しかし、そっくりさんって何だ。そっくりの対象が稲川淳二ってどうなんだ。しかもそいつがショーをやってるだなんて、そんなことが許されるのか。1000万都市はそこまで間口が広いのか。札幌では絶対に見ることができないものを彼は見たのではないか。

 アハハハハ、そっくりさんかよ、そりゃダメだ、と誰もがそのショボさに爆笑していたので俺も一応笑っておいたが、胸の内はモヤモヤしたものが渦巻いていた。

 試合に勝って勝負に負けることもある。思わぬ事を学んだ修学旅行だった。

●2003/6/28

 こんばんは、久米宏です。できるだけニュース。
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・みのもんた司会の「危機一髪!SOS」が様変わり。
 スタート当初は「地下鉄に乗ってる時に線路脇を通る水道管が破裂!進行方向へ逃げるべきか逆方向へ逃げるべきか」とか、「都市火災!風上へ逃げるべきか風下へ逃げるべきか」など、極限状況での生存方法をクイズ形式で紹介する番組だったと思うのだが、今週ひさしぶりに見たら「わさびを染み込ませた雑巾で家を掃除すると雑菌の繁殖を防げる」みたいな話をしてた。あまり危機一髪な感じじゃない。
 番組のカラーすら自分側に引き寄せるみのもんたマジック。

・SMAPが新アルバム「MIJ」のプロモーションのため巨人×横浜戦の放送席に登場。
 試合中、キムタクが船越アナに「印象に残ったプレーはありますか?」と聞かれ、ついうっかり「そうですね、さっき巨人のラスがバントした時なんですけど。ラスってピッチャーじゃないですか。なのに一塁まで全力疾走してたんですよね。感動しました。ああいう一生懸命なプレーって大好きですね。」と、教師受けを狙ってるイヤなガキが書いた感想文並みのコメント。

・ワイドショーでサクランボ盗難事件についてコメントを求められた大泉逸郎。
 自身もサクランボ畑を営む大泉。「僕の畑も盗難に遭った事があるから、今は防犯センサーを付けていて、畑に誰かが進入したら僕の携帯電話が鳴るようになってるんですよ」と、そのセンサーをテストしてみたところ彼の携帯から鳴り響いた着メロが中島美嘉の「WILL」だった、という友人からの未確認情報。

・「集団レイプする人はまだ元気がある」自民・太田議員発言。
 医師に相談してください。私なら、そうします。
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 こういうのはニュースじゃなくて小ネタというのかも知れない。

 リンク少し追加。

●2003/6/27

 さぁ、脱糞男だ。

 ZAKZAKの記事もペンが振るっている。
「二枚目な容姿にもかかわらず脱糞。」

 もう記事だけでオチているので、いまさらツッ込むところも特に無いが、彼の将来を思うと気掛かりな事もある。

 例えば10年後、場末のスナックで。
 「俺はケンカで5人に囲まれて勝った事がある」とか「地元で俺の名を言えば誰もが震え上がる」など、それぞれに武勇伝を披露してホステスをキャーキャー言わせている中、店の隅っこで一人チビチビと酒を飲む斉藤容疑者。

 「おう、そっちのあんちゃん、おとなしいなぁ。あんたも何か武勇伝のひとつくらい無いのかい。」と、突然からんでくるチンピラ。やめなさいよ、とニヤニヤ笑いながらたしなめるホステス達。


 俺はパトカーの中で脱糞して逃走した事がある。


 言おう、いややめよう、やっぱり言おう、いや言えない。思考回路が同じところをグルグル巡る。言えばおそらく一気に全員の注目を一身に集められるだろう。だが前科者であることを口外してしまうことにもなる。ていうか脱糞の方がマズいかも。34にもなってから脱糞してしまった話をして良いものか。でも因縁つけられて黙ってるわけにはいかない。やっぱり言おう。よし、言おう。

 思い切って彼等の方へ振り返ると、一人で悩んでいる間にチンピラ達は、すっかり他の話題に移ってしまっている。日本三景ってどことどこだっけ、とか言ってる。ちくしょう、またこれだ。聞くんなら最後まで聞けってんだ。ヤケ酒をあおる斉藤容疑者。

 最終兵器とも言えるネタを手にしたにも関わらず、それを発表できない苦悩。その深さは想像するに余りある。

 リンク少し追加。あと、おっさん壁紙に国見の監督追加。他意は無い。

●2003/6/26

 今週末の27時間テレビでは、菅野美穂が世界最貧国・シエラレオネを訪れるらしい。

 何かのニュースで目にしたのだが、シエラレオネは世界で最も国民が短命なことでも知られる国だそうだ。WHOの報告によると、その平均寿命、34.2歳。

 その他に、平均寿命から寝たきりの期間を差し引いた「健康寿命」という項目もあった。そちらでもシエラレオネはワースト一位で26.5歳。俺がシエラレオネに生まれていたら、もしかしたら既に寝たきりだったかも知れない。ちなみに日本は世界のトップで平均寿命81.4歳、健康寿命73.6歳。日本に生まれたことは幸運だった。少し前に流行った「世界が100人の村だったら」という話を思い出す。

 気になるのは、25歳の菅野美穂がシエラレオネの人々の眼にどう映るかという事だ。もしかしたら、すごい婆さん扱いされるんじゃないか。婆さんは極端だとしても、年増扱いは決定的だ。「さっきの日本人、可愛かったよなぁ。聞いたら25歳だって。25でも、あれなら俺は全然アリだね。」「うわぁ、フケ専だな。どうかしてるよ、気持ち悪ぃ。」と囁き合うシエラレオネの若者たち。ふざけるな。菅野美穂がどんなに感動的なリポートをしても、そっちが気になってしまいそうだ。

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 いま考えたんだが、よく「サイト管理人に100の質問」ってあるけど、それを「世界が100人の村だったら」でやるのはどうだろう。100人しか居ない世界で生活していかなければならないと仮定して、その100人の内訳を考える。俺だったら、

1
農畜産業
80
漁業
10
発電係
3
医者
1
佐藤江梨子
1
hitomi
1
平野レミ
1
タモリ
2

 こんな感じか。このフォーマットだと、かなりたくさんボケのパターンがあると思う。でも、こういう遊びは既にどこかでやってそうだな。そして題材も古過ぎ。しかも100の質問と全然違うし。やっぱり取り消し。

 あと、ひとつ説明しておきたい。平野レミを入れたのは、好きだからでは無い。「何かと便利そうな上に、99人に共通の話題が出来る」という点で彼女はベストだと思ったからだ。

●2003/6/25

 スパイ・ゾルゲという映画が封切られたようだ。

 日本とドイツの情報を旧ソ連に送り続けた国際スパイ、リヒャルト・ゾルゲ。彼の生涯を、その激動の時代とともに巨匠・篠田正浩が渾身の力を込めて描く。

 そんな説明を読みながらも、ゾルゲとは関係なく沸々と沸き上がってくる思い。

 スパイになりたい。

 スパイに憧れたことは、男なら誰しもあるのではないだろうか。サングラスをかけたい。コードネームで呼ばれたい。暗号文で会話したい。水に溶ける紙でできたメモ帳を持ち歩きたい。俺も北朝鮮の機密事項を日本に流したりしたい。

 そんな事を漠然と考えながら新聞の映画欄を眺めていると、もっとすごいのがあった。

 二重スパイ

 これはすごい。普通のスパイでもかっこいいのに、二重でスパイ。二重でかっこいい。自分の国でも、相手の国でもかっこいい。そして、ちょっとずるい。漂う背徳の香り。そこもまたいい。

 さて、本気でスパイになるにはどこかの情報機関に入らなければならないが、どうやって入るのかというと、スカウトがほとんどだそうだ。

 誰か、俺をスカウトしないだろうか。面接だけでもして欲しい。語学は苦手だが、手品なら少しできる。

●2003/6/24

 今更ではあるが、最近になってはてなアンテナを使い始めた。自分が登録しているサイトの更新状況が一目で分かったり、登録してるサイトの傾向からお薦めのサイトを割り出してくれたりするページだ。

 これがもう便利で便利でヤバい。ヤバ過ぎる。死ぬ。便利死する。明日の朝刊に「札幌市の男性、自室で便利死」って出る。

 それはそれで楽しみだが、死ぬと自分が朝刊を見られないし、そもそも便利死って言わないし、僕は死にません、あなたが好きだから。

  何かスタパ斉藤と武田鉄矢のコラボレーションみたいな文章になって自分でもイヤな感じだが、こんなので良ければどうぞよろしく。

 (アンテナユーザーの方は、よろしければこちらからどうぞ。→ビューティフル突然をアンテナに追加する

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 さて、はてなアンテナの親サイトはてなには、どうも他の人が投稿した質問に答えるとポイントがもらえて換金できるシステムがあるようだ。そっちの方は使ったことが無いので良くわからないが、金がもらえるというのは結構すごくないか。ガンガン質問に答えまくって、それで食っていくのはどうだろう。職業「はてな先生」。合コンでもモテそうだ。

 「あの人、はてな先生やってるんだって!」
  「キャー!すごい!質問したい!」

 知識の泉が女も濡らす、はてな先生ここにあり。

 「キャー!しぶい!都々逸よ!」

 いける。一躍、場の主役に躍り出る自分が目に浮かぶ。ところで俺の頭にある「知識ある人→都々逸たしなむ」というイメージは一般性を獲得できているだろうか。それを聞きたい。はてなで。

●2003/6/23

 少し長い上に、2日連続NHKの話で恐縮ですが。

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 昨日、NHKこども将棋名人戦の再放送を見た。

 各地区予選を勝ち抜いた、東日本代表2人・西日本代表2人、合わせて4人の小学生によって行われるトーナメント戦。今回で28回目を迎え、過去にはあの羽生善治も優勝したという、由緒ある大会のようだ。

 準決勝の1局目は京都府代表・西田君vs.東京都代表・杉本君。
 試合前のインタビューから両者は対照的だった。寝グセもそのままに、母親が買ってきそうなトレーナーを着て、インタビュアーの質問にも伏し目がちにボソボソと答える西田君。それに対し、カラフルなクルーネックTを着こなし、「自信はあるかな?」と聞かれて「あります!」と物怖じせずに答えちゃうあたり「さすが東京っ子」と思わせる杉本君。
 対局が始まると、両者の御両親にもインタビューが行われた。「西田君の今日の調子はどうですかね?」と聞かれ「いやぁ、私は将棋の事は良くわからないんでねぇ」と、にこやかに答える西田君のお父さん。それに対して「杉本君は『お父さんより自分の方が強い』なんて言ってましたが、どうなんですか?」と聞かれて、フンと鼻で笑うように「僕より弱かったらあそこには出られないですよ」と答える杉本君のお父さん。自身もアマ二段を有する将棋好きだとか。そうか、杉本君はサラブレッドだ。途端に浮かび上がる「エリートvs.雑草」の構図。こうなると俄然、京都の西田君を応援してしまう。頑張れ西田君。俺は君を心から応援する。しかし、俺の応援も届かず99手でエリート杉本君が勝利し、決勝へと駒を進める。

 準決勝の2局目は青森県代表・工藤君vs.岡山県代表・菅井君。かなり拮抗した勝負になったが、辛くも工藤君が勝利。

 そしていよいよ決勝戦。東京都代表・エリート杉本君vs.青森県代表・工藤君。
 決勝の舞台に臨む杉本君、どうも準決勝の時と何か違う。よく見ると、さっきのクルーネックTの上にデニムのシャツを羽織っている。

 

 衣装替えか。

 

 お色直しか。2ポーズ目か。決勝進出は予定通りか。選ばれし者の余裕。ここまで来ると今まで押さえてきた感情が一気に噴き出してくるのを感じる。エリートへの憎しみ。俺は下品な人間だ。あの瞬間、心から杉本君の敗北を願ってしまった。

 勝負は序盤から大駒が飛び交う派手な局面。小学生らしいキビキビした手筋と、小学生とは思えない老練な一手が交差する。一進一退の攻防。前半は杉本君が少し優勢に見えたが、たった一手のミスが響き徐々に工藤君が押し戻していく。勝負は長期戦となり、そして。

 杉本君は、敗れた。

 悔しさに顔をゆがませる杉本君。しかし、涙をこぼさないよう必死でこらえる。エリートたる者、涙など見せないという確固とした意志。彼は12歳にして既に、自らの立場を知り、それを受け止めている。小学生ながら見事という他ない。

 だが、解説の森内名人が対局を1手目から詳細に振り返り、「あそこで杉本君は5八金、としたけど、もし同じ場所に銀を打ってたらどうだったかな?銀を打とうとは思わなかった?」と問いかけた時だった。杉本君は絞り出すような声で「思いました」とつぶやく。そして少しの間をおいて、もう一言。
 「金を…打った後に……」

 そう言った杉本君の目から、ずっと堪えていた大粒の涙がこぼれ落ちた。
 将棋エリートの杉本君ではなく、普通の小学6年生の姿だった。エリートとして生きてきた者が、挫折を知り、さらに大きく成長して行く。2時間の番組に凝縮された人生の縮図。彼は、きっといい棋士になる。杉本君を今は心から応援できる。荒んだ心に暖かい風が吹いた。そんな昼下がり。

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 ここでひとつ謝らなければならないことがある。

 実は、後半が全部ウソだ。本当はエリート杉本君が、決勝でも圧倒的な強さで勝利を収めた。実際に放映されたのは、エリートが雑草を蹴散らして日本一の座に輝くという当然の結末だった。
 けれどもそれじゃあんまりだ。雑草側の俺は夢を見ることすら許されないのか。残酷な現実を残酷なまま視聴者の眼前に放り出す、こども将棋名人戦。そこに現れるドキュメンタリーの本質。日曜の昼間からガツンとやられた。やっぱりNHKから目が離せない。

 ちなみに、将棋のルールは良く知らない。

●2003/6/22

 NHKが侮れない。

 昨夜、NHKでやってた巨人×阪神戦。清原の止めたバットに当たったボールが一・二塁間を抜けていくシーンに、解説の長嶋茂雄が「想念です!清原の想念がボールをライト前へと運んだんです!」と、非常に観念的なコメント。長嶋も自分で気に入ったのか、しばらく想念連発。想念ってすごいなと思った。言ったことない。横に居た元ヤクルトの荒木も言葉を無くしていた。ていうか放送中ほとんど喋れてなかった。

 試合は8回表に阪神が一挙10点を上げ勝負あり。決まったな、と思いNHK教育の方にチャンネルを回すと、琴の番組をやっていた。途中からだったので経過は良くわからないが、Tシャツ一枚のラフな感じのおばさんが琴を弾いてた。なぜか曲目は鉄腕アトム。しかも演奏のラストに、なんかピックスクラッチ入った。あのおばさん、すごい。まず、Tシャツ一丁で出てくる自信。鉄腕アトムを琴だけで聞かせる技量。そしてスクラッチ。琴にあんな技あるんだろうか。アトムの未来感を出す為に斬新な技法を取り入れたんじゃないか。

 しかもその後、番組自体はそのおばさんに全く触れること無く普通に進行。山田邦子が「『琴』とも『箏』とも言いますね」とかどうでもいい話してた。すごい。番組ごとすごい。ちょっと来週も見たい。NHKから目が離せない。

●2003/6/21

Web冷え汁さんの「腐らせた」というコーナーに、投稿した文章を載せて頂きました。よろしければそちらも。

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 手品師への情熱が冷めやらず、手品系サイトを巡回していたところ思わぬ情報を得た。

 ナポレオンズのボナ植木がギターの教則本を出している

 それは違う、とツッ込まずには居られない。白井良明も軽率に推薦文など書くべきではない。

 東京タワーが消せたからといっていい気になるな、と言いたい。今こそ初心に戻って頭がグルグル回るマジックに立ち返るべきではないだろうか。

●2003/6/20

 坊さんになるという選択肢は、ありかも知れない。

 女子アナと結婚できたりするという点を除いても、坊さんってのはなかなか良い。朝早く起きて少しの飯を食い、経を上げて日が沈むとともに眠る。そんな暮らしに憧れる。いま流行のスローライフ。

 しかし、坊さんになるにはどうしたら良いのだろう。残念ながら寺の跡取りでもない一般人の俺に、坊主への道は開かれているのだろうか。疑問を解決するべくネットで検索。するとこんなページがヒットした。どうも最初に面接を受けるらしい。どんな質問をされるのだろう。やっぱり志望動機とかだろうか。「暮らし向きがのんきそうでいいなぁ、と思いました」なんて口が裂けても言えない。かと言って「衆生を救うためです」などと、いきなり弘法大師並みの高い志を述べるのも気が引ける。いや、ちょっと待て。そんな普通の面接みたいな質問だろうか。禅問答とかだったらどうしよう。ていうか、そもそも禅問答ってどんなのだったっけ。「大乗仏教とかけて何と解く?」こんなのか。「えぇと、祭りの夜店で嫌われる客と解きます。そのこころは、たくさんすくう」…違うな。これは禅問答じゃなくてなぞかけだ。こんなことで坊主になれるのか。ドキドキしながらさっきのページを読み進めると、こんな記述があった。

「パソコンが全然駄目な人は難しいですが、習う気があれば教えます。」

 あ、パソコンですか。できます、できます。どんとこい。でも何するんだろう。エクセルでお布施グラフ。ワードで写経。仏教界にも広がるIT革命。聖なるものと思っていた仏門がグッと近づいたが、それと同時に失われていく憧れ。

●2003/6/19

 「オレオレ詐欺」というのが流行っているらしい。

 「オレだよ、オレ」と、息子や孫を装ってお年寄りに電話をかけ、「ヤクザの車と交通事故を起こして大変な事になった、すぐに金が要るからオレの口座に振り込んでくれないか」と持ち掛けるという手口。弱者を狙う卑劣な犯罪であり、決して許されるべきものではない。

 ただ「オレだよ、オレ」とだけ言って名乗らない、というのはうまく考えたなぁと思う。これ、他にも流用できるんじゃないだろうか。例えば、合コンをやってる人達を見掛けたら「オレだよ、オレ。忘れたの?イヤだなぁ」とか言って強引に入っていくというのはどうか。タダ酒が飲めるばかりか、出会いだって無いとは限らない。

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 病院のベッドに初老の男、横に座る妻、
 男の体には何本もの管が刺されている

 

「なぁ、とし子」

「なんですか、あなた」

「オレはもう、長くないと思う」

「あらあら、何をおっしゃるのやら」

「オレと初めて逢った時のこと、覚えてるか」

「何ですか急に」

「最後に話したい事があるんだ。覚えてるか?」

「えぇ、覚えていますとも。あれはどこかの居酒屋だったかしら。少し遅れて入ってきたあなたを見た途端、なんていい男だろうって…あの頃は今と違って髪もフサフサで…ウフフ」

 

「…実はあの時な、」

「?」

「オレ、合コンのメンバーじゃなかったんだ」

「……」

「オレオレ詐欺だったんだ、実は。タダ酒でも飲んでやろうと思って入っていったんだ。お前達を騙したんだ」

 とし子はうつむいたまま黙っている。

「でも、あの時お前と出逢えて良かった。この40年、お前だけを愛してきた。それは胸を張って言える。だから最後に謝っておきたかったんだ。すまん、許してくれ」

 

 

 

 長い沈黙の後、とし子は顔を上げ、いつもと同じようにニッコリと微笑み、静かに言った。

「知ってましたよ」

 

 

「……え?」

「あなたがあの場に呼ばれた人間じゃないことくらい、すぐにわかりました。知ってましたよ」

「だったらなぜ…今まで言わなかった?」

「私は…」

 とし子の目から光る筋が頬を伝う。

「あなたを愛してしまったから…あの日から…そして今も……!」

 

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 何とか感動的にしてみようと思ったんだけど、別にきっかけがオレオレ詐欺でもずっと黙ってるほどの事じゃ無いと思った。設定の失敗を認めたい。

●2003/6/18

 春風亭柳昇が亡くなったそうだ。

 一番好きな落語家だった。せめて一度でもいいから生の高座を見たかった。自分の出不精が悔やまれてならない。

 ご冥福をお祈りいたします。

●2003/6/17

 英語が必要な場面というのは意外とある。

 「自分は海外に行かないから英語なんて必要ない」と思っていたが、国内に居ても英語に出会う機会が増えてきた。例えばインターネットの登場。面白そうなコメントにつられてリンクをクリックしたら、リンク先が英語ページで、すごすごとブラウザの戻るボタンを押して引き返すなんて事が多々ある。まぁ、読むくらいなら辞書を引きながらでも何とかならないこともないが、道端で外国人に道を聞かれた時など絶望的だ。「プリーズ、ゴー、ストレート、ライトターン、アフターワンブロック」などと真っ赤になりながら説明し、家に帰っても屈辱感が拭えずに本なんか調べちゃって「曲がるは turn toだよなぁ」と眠れないほど悔しがったり。

 そこで気になるのが小林克也のアメリ缶だ。

 ドリッピーだのコインの冒険だのではない。アメリ缶だ。オーソン・ウェルズよりも断然小林克也。だいいち「コインの冒険…主人公であるクォーター硬貨(クォーターとは1/4のこと→転じて1ドルの1/4である25セント硬貨のこと)が見つめる様々な人間模様」という題名の注意書きにすら「へぇ、そうなんだ」と感心しているようでは先が思いやられる。小林克也なら日本人離れはしているが一応日本人。クォーター硬貨はピンと来なくても「今日は財布に夏目さんしか居ないよ」みたいな話ならスッと飲み込める。アメリ缶にそんな機微のある例文は無さそうだが、日本人が話してると思っただけで少しは身近に感じられるというものだ。

 そこで検索してみたところ、今はパソコン版アメリ缶が主流らしい。テキストとCD-ROMが入った、最も効果的なトレーニング方法とされるディクテーション練習ソフト。 ディクテーションというのが何のことかいまいち掴めないが、たぶんすごいんだろう。学習が終わる頃には理解できるようになっているに違いない。

 しかし、どうもパソコン版には食指が動かない。確かにCD-ROMの方が便利である。オリジナルのアメリ缶だとカセットテープ。今時カセットテープかよ、という感は否めない。わかってはいるがオリジナルの方に魅力を感じる。どうしてなんだろう。双方を今一度見比べてみる。

 

アメリ缶比較図






 わかった。




缶

 缶だからだ。


 缶に入っていてこそアメリ缶。缶にギッシリ詰まった英語の極意。フタを開けた途端に広がる世界。ハロー、ワールド。道もどんどん聞いてくれ。まっすぐ行ってターン・トゥ・ザ・レフトだ。もう 英語なんて怖くない。俺にはこの缶があるのだから。

 いろいろ理屈を並べてみたが、結局自分は缶が欲しかっただけだと悟った。本気で勉強したくなったら缶に頼らずノバとかに行こうと思う。

●2003/6/16

 Plastic Treeというバンドが、Theピーズのデビュー曲「バカになったのに」をカバーしているらしい。

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中学まではまともだった
まともだったのに
さんざんムリしてバカになった
バカになったのに

           Theピーズ『バカになったのに』
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 俺より少し上の年代の人達が夢中になって聴いていた名曲だ。しかし、である。テレビでPVをチラっと見た程度なので何とも言えないが、ピーズに比べて彼らは「中学まで」というより、どう見ても今もまともな印象を受ける。彼らが「カバーしたい」と考えるほどあの歌に共感を覚えたのはどうしてだろう。彼らに何があったのか。

・中学まではまともだった。
・高校入学と同時にクイズ研究会に入った。
・高2の終わりの日、クラス替えで一人だけ泣いてた。
・高3の時、鳥羽一郎のポスターを部屋に貼っていた。
・高校時代の3年間、ずっと黒板消し係。

 こんな感じだろうか。大丈夫、黒板消し係だって居なきゃ困る。係に貴賤無しだ。そう言ってあげたい。あと、鳥羽一郎のポスターはどこで買ったのか。それは聞いておきたい。

●2003/6/15

 日清シーフードヌードルにマヨネーズをかけて食べると美味いというのは、一部では常識であるが今まであまり取り上げられた事は無かったように思う。

 ところが最近、テレビで芸能人が「シーフードヌードルにマヨネーズかけて食べるとおいしいんですよ!」という話をしているのを連続して見かけた。

 こういったことは割と珍しくない。数年前にダウンタウン、清水圭、トミーズ雅、久本雅美ら関西系の芸能人達が「関西ではお好み焼きと一緒にご飯も食べるんですよ!」と一斉に発言し始めたことがあった。バリエーションとして「関西ではお好み焼きに長芋をすって入れるんですよ!」という報告も長江健次(イモ欽ふつお)等によって行われた。彼らが単純にパクったりしたのではないとしたら、なぜこのような現象が起こるのか。

 推測。芸能界に入ると「今この話をしておけば間違いない」というような情報が載っている機関誌が送られてくるようになるのではなかろうか。「この夏は関西のお好み焼き事情がスベり知らず」とか書いてあったりするA4くらいの小冊子。そしておそらく今月号には「シーフードヌードルにマヨネーズをかけて食べてみよう」という特集が写真入りで組まれていたはずだ。

 表紙のキャッチには「ごきげんようで3回続けて同じ目が出ても困らない100の方法 〜小ネタのストック術〜」との文字が躍り、たぶんなぎら健壱あたりが連載コラム書いてる。想像してたら読みたくなってきた。どうにか入手できないものだろうか。

●2003/6/14

 ドラえもんの単行本6巻に掲載されている「ネッシーがくる」という話。のび太が有名なネッシーの写真を手に、ネッシーの存在を熱く語るシーンがあった。詳しくは覚えていないが、俺はネッシーをそこで知り、遠い異国の湖でひっそり暮らす巨大生物に思いを馳せた。

 ところが、いま書店に並んでいる版では、注意書きとして欄外に「※この写真はトリックと判明しました」と但し書きがついているらしい。何でそんなこと書くんだろう。

 あぁ、わかった。あれだろう。PL法。猫を電子レンジで乾かすことは出来ません。コーヒーを股に挟んだまま車を運転するとこぼして火傷を負う場合があります。ネッシーの存在を信じたことによる損害の責任は負いかねます。ファンタジーより訴訟対策か。子供達の夢を奪う出版社に、藤子・F・不二夫も天国で苦笑いしているのではないだろうか。弟の藤子・A・不二夫は何をしているのだろう。

 熱くなってはみたものの、当時を思い返すと「こんな写真、トリックに決まってる」と、頭から信じてないイヤな子供だった気がする。あと、PL法じゃないと思った。

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 ※藤子・A・不二夫は藤子・F・不二夫の弟ではありません。兄弟だと思い込んだことによる損害の責任は負いかねます。

●2003/6/13

 昨日、軽い手品ができたらどんなにいいだろうと書いたが、だんだん情熱がエスカレートしてきた。プロの手品師になれたらどんなにいいだろう。

 子供に夢を与えたい。ていうか自由の女神を消したりしたい。子供の夢は二の次だ。もちろんジャンボジェット機も消したい。ナポレオンズに倣って東京タワーも消してみたい。おそらく横浜公演では横浜ランドマークタワー、大阪公演では通天閣を消すことになるだろう。いろんな人達に迷惑がられながらも勢いに乗ってジャンジャン消していきたい。

 少し欲望が曲がった方向に向かい始めたが、まず手品師になるにはどうしたらよいのだろうか。

 そこで検索してみたところ、「手品師になろうよ」というサイトを発見した。まさに求めていたタイトル。ダーク史郎という本職の手品師が手掛けるサイトのようだ。写真を見る限りダークなイメージは感じられないが、プロが教えてくれるというなら心強い限りである。

 しかしトップの注意書きに絶望させられた。

 「別に手品師養成のためのページではありません。」

 すっかりだまされた。手品師になろうよって言ったじゃないか。嘘だったのか、ダーク史郎。

 きっと彼は女性を口説く時にも「一緒になろうよ」とか「二人で小料理屋でも開こうよ」と口に出すようなタイプに違いない。信じてはいけない。次に会った時には、こう言うはずである。「別に本気ではありません。」

 彼がダークを名乗る意味がやっとわかった。ダーク史郎のマジックにしてやられた。本物の手品師というのは、こういうものかも知れない。

 掲示板つけました。よろしければ何か書き込んで行ってください。

●2003/6/12

 もしも手品ができたなら
      想いの全てを鳩にして
           君に伝えることだろう

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 手品が上手かったらどんなにいいだろう。

 胴体切断とか、おおげさなやつじゃなくていい。そんなの発表の機会もない。もっと軽いやつで十分。トランプの数字当てたりでいい。手から花が出たり。口から万国旗が出るのもギリギリオーケー。

 以前、販売員の仕事をしていた頃、「お釣りを手品で出せないか」と考えた。「1,000円のお預かりでしたので、」ここまで言って宙を掴むそぶり。客の視線を浴びた右手を開くと、そこにお釣り。「160円のお返しになります。」 客も再度見たくて、もう一品買い足すのではないか。もしかしたら「あそこの店員はすごい」と噂になって集客数も上がるかも知れない。俺のレジの周りに集まるギャラリー。精算の度に沸き上がる歓声。

 結局この計画は「最初にレジのお金を自分のポケットに仕込んでおく」という下準備の時点で店長にあらぬ疑いをかけられそうなのでボツになったのだが、今でも日常に手品を取り入れていきたいという気持ちは忘れていない。

●2003/6/11

 もんじゃ焼きを初めて食べに行った。

 食べながらずっと考えてたんだけど、何でもんじゃ用のヘラはあんなに短いんだろう。あの短さだと、どうしても鉄板に近づかざるを得ない。すると、手が火傷しそうなほど熱い。

 鉄板熱い、うまい、鉄板熱い、うまい。繰り返し。熱いから近づきたくないんだが、うまいから再び鉄板へ向かう手。食欲と保身のダブルバインド。

 俺が死んだ時に、こういう地獄に落とされたらイヤだなぁ。そんなことをボンヤリと考えながらの初もんじゃ。

 おっさん壁紙におぼん追加。こぼんは、また今度。

●2003/6/10

 マクドナルドが値下げキャンペーン「なっ得バリュー」を6月末で終了し、それに伴い59円バーガーも80円に値上げするらしい。わりと大きく報じられてたので、既に知っている人も多いと思う。

 何だろう、たかだか21円の値上げなのに、この煮え切らない気持ち。

 振り返ってみると、やっぱり「なっ得バリュー」という名前が良くなかったと思う。ハンバーガーは59円が「なっ得」の価格、と宣伝しておいて、いまさら「やっぱり80円で納得してください」と言われてもなぁ。

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 どうもみみっちい話になったので、スケールの大きい話をします。

 ブラックホールは何でも吸い込む。星とか。

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 不得意な分野に手を出してしまった事は失敗だったが、スケールのバランスはとれたので良しとしたい。

●2003/6/9

 ザ・グレート・サスケが県議に当選したのを機に、以前からフランス書院のホームページで公開されていた、自身のエロインタビューを何らかの圧力でネット上から削除し闇に葬ったという噂が出た。(インタビュー自体はこちらに保存されている→1234

 ちなみに補足すると、フランス書院というのは「義母の黒い下着に狂わされて 」 「肛虐の運命 初美三十歳・瑤子二十四歳 」など、グッときていいのか悪いのか微妙なタイトルを連発することでも知られる、有名なエロ小説専門の出版社だ。肛虐って「こうぎゃく」でいいんですか。読み方は。

 まあサスケはAV出演疑惑もあったりする人なので、いくらエロ話をしていたところで、いまさら特に驚きもない。

 しかし、さきほどのページ周辺を見てみると、なんと小西康陽も同じインタビューを受けているではないか。すごいスタイリッシュな感じで。「ヘルムート・ニュートンの写真って完全にポルノですよね。」とか言っちゃって。

 フランス書院って、いつの間にそんなオシャレなポジションを獲得したんだろう。ポスト渋谷系はフランス書院にあったのか。気付いてなかったのは、いまだに「ポスト渋谷系」なんていう言葉を使ってる俺くらいなのか。

 今度、一冊買ってカバーをかけずに電車の中で読んでみたい。女性達の鋭い視線から、軽蔑ではなくインテリへの羨望を感じられるのではないかと思う。

●2003/6/8

 NTV「エンタの神様」が、いまひとつしっくり来ない。

 コンセプトとしては「テレビ芸では無い、本物のエンターテイメントをお届けする」ということだろう。結構なことだ。トークメインの歌番組、ネタをやらないお笑い番組等が増えている今、まさに求められていた番組ではないだろうか。

 今週はサイコ・ル・シェイムというバンドが出ていた。派手なコスプレ風の衣装だけが話題の、イロモノ感あふれるバンドだ。彼らは本物のエンターテイメントを標榜するこの番組で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。「俺達は衣装だけのバンドじゃないんだ!」という熱い思いもあるだろう。プロのバンドの底力を期待した。

 しかし次の瞬間、驚愕の字幕が流れた。「サイコ・ル・シェイム、ニューハーフダンサーと共演」。
  どこかのビルの屋上で、彼らが演奏する米米クラブ「君がいるだけで」に合わせて数人の妖艶なニューハーフが舞い踊る。バンドとダンサーの絡みもあり。画面一杯に悪夢のような光景が広がった。

 あの映像、誰に向かって発信してたんだろう。あのバンドのファンである中高生にトラウマをも残しかねないショッキング映像。サイコ・ル・シェイムにとっても番組にとってもマイナスだったように思う。みんなが損した企画。三方一両損か。大岡裁きか。まぁ、ある意味では見せ物小屋のような、エンターテイメントの原点には触れていた気はするが番組の趣旨はそっち方向じゃないだろう。

 いや、それはそれで面白そうだが。深夜2時とかにやってくれれば喜んで観ようと思う。

●2003/6/7

 札幌では今、「よさこいソーラン祭り」というイベントが開かれている。高知の祭りをパクったもので、チームでの踊りの優劣を競う祭りだ。今では400を超える団体が参加する、全国でも有数の踊りフェスティバルらしい。

 俺は生来の照れ屋なので、人前で満面の笑みを浮かべながら踊る人達にイマイチ共感できなかったのだが、ふと「もし自分がどこかのチームに所属したなら」と想像してみた。

 たぶん、俺のことだから練習はサボりがち。踊りを覚えるのも他の人よりかなり遅そうだ。ある日の練習終了後、女リーダーに「ちょっと話があるから残って」と言われる。

 「真面目にやってくれない?こんなことで本番に間に合うの?」

 自分でもわかっていた事だけに、何も言えない。さらにリーダーは続ける。

 「みんな必死なんだよ!どうしてわからないの!?」

 リーダーは肩を震わせている。その目から涙がこぼれる。どうして俺は気付かなかったんだろう。みんなの想い、リーダーの想い。リーダー、ありがとう。ごめんね。こんなに必死で頑張っているリーダーのことが急に愛しくなる。近づく距離、触れる指先、流れる沈黙、深まる絆、マンツーマンでの猛特訓、本番でセンターを張る俺、輝く優勝旗、号泣の打ち上げ、そっと告白、二人の朝。

 できる。絶対、満面の笑みで踊れる。俄然、よさこいソーラン祭りに興味が湧いてきた。

●2003/6/6

 氏神一番、ひさしぶりに見た。

 しかも、なんでんかんでんの川原社長と組んだとは。この二人には似たものを感じる。「成り上がりたい!」という情熱だろうか。

 氏神の場合、さらに「芸能界でのし上がりたい!」が付く。ちょっと彼ほどの情熱で芸能界にしがみついてる人は見当たらない。プロレス界隈に顔を出したり、ものまね番組に出てみたり。生前の池田貴族といい勝負だ。数年前、氏神が元C.C.ガールズの青田典子と噂になろうと必死になっていたのを見た時は、「何もそこまで…」と、身内でも何でも無いんだけど情けない気持ちになった。

 だが、逆に唯一の才能であるあの節操の無さ、それ自体を磨くというのはどうだろう。巨人が勝ったら「子供の頃から巨人一筋!巨人・大鵬・卵焼きですよ!」と叫び、次の日に阪神が勝てば「うちは親父の代から阪神ファンでね!」と言える男になるのだ。優勝した年だけ「ずっとベイスターズファンだった」と言い張った佐藤藍子もかすむほどの変わり身の早さ。

 長いものには巻かれろ、では生き馬の目を抜く芸能界を生き残れない。長くなくてもどんどん巻かれていく。あの心意気に、不況を勝ち抜くヒントが隠されているかも知れない。隠されていないとは思うが。

 氏神もそろそろ怪談とかやる人になりそう。ポジション的に。しかも変な講談口調とか取り入れて失敗しそう。

●2003/6/5

 フレッド・ブラッシーが死んだらしい

 ブラッシーとは、力道山時代に活躍したプロレスラーで、噛み付き攻撃で1960年代中期の日本を震え上がらせた悪役だ。

 特にプロレスファンでもない俺が何でそんな昔の人を知っているかというと、小さい頃に父に連れられて「ザ・力道山」という映画を見に行ったからだ。山下洋輔の軽快な音楽が流れる中、白黒のスクリーンをシャープ兄弟やザ・デストロイヤー、豊登や大木金太郎といった国内外の往年のプロレススターが駆け回る。それを見つめる小学校に上がるか上がらないかくらいの俺。どことなくモンド臭すら漂うあの映画を通じて、父は俺に何を伝えようとしたのか。あの頃はわからなかったが、今はわかる気がする。わかる気がするだけの気もする。

 映画って、あんまり連れて行ってもらえなかったけどなぁ。あ、大霊界は連れてってもらった。あと大霊界2。

●2003/6/4

 俺は胃腸が弱い。すぐトイレに行きたくなる。そのせいで、いろいろと行動範囲に制約が出てくるくらい弱い。

 例えば、ドライブに行こうと誘われたとする。その時、まず真っ先に頭に浮かぶことは「途中でトイレに行きたくなったらどうしよう」ということだ。だからどんなに好きな人に誘われたとしても、コンビニも無いような田舎には、あまり行かない。車中で腹を押さえてうずくまることが容易に予想できるからだ。

 あと、絶対トイレに行けなさそうな職業もあきらめた。歌手とか。歌番組で「次は、ビューティーさんでーす!」と紹介を受けたら、まさか「いや、ちょっとトイレ」というわけにはいかない。ステージの中央に進みながらも、いまいちへっぴり腰な自分。歌声も、こころなしか小さめだ。歌い終わると同時に小走りで舞台袖に引っ込む俺。

 まぁ歌番組なら一曲歌えば何とかなるが、自分のコンサートだったら最悪だ。2時間は我慢しなければなるまい。もしくはトイレ休憩が3回くらいあるコンサート。

 絶対、人気出ない。みなさんにこの平井堅ばりの高音が聴かせられないのが残念でならない。

●2003/6/3

 女ってやつは、みたいな話は信用できない。女性のことを全然わかってない人に限って、「女ってやつはさぁ」なんてことを言いたがる。それはわかってるんだけど、それでもなお思ったこと。

 女ってやつは、生春巻き好きだよなぁ。

 おっさん壁紙に大島渚追加。

●2003/6/2

 日本ダービーだったんで、普段は行きもしない場外馬券場に行ってみたら、ひさしぶりに大人の殴り合い見れた。馬券は外れたけど、元は取れたように思う。

 おっさん壁紙に岡本信人追加。

●2003/6/1

 先日、NHKを見ていたらGOING UNDER GROUNDというバンドが出ていた。どういうわけか中村雅俊と一緒に歌ってた。アンダーグラウンドって言葉、俺の認識が間違ってるんだろうか。

 おっさん壁紙に春風亭柳昇追加。

 


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