2004年10月11日ログ。 |
●2004/10/11今日、テレビのニュースで「今の小学生の50m走の平均タイムは、20年前に比べて約0.5秒も遅くなっている」と言っているのを見た。昔の子供は元気が良かったのだなあと、戦後あたりの白黒映像を思い浮かべながら感心していたのだが、ちょっと考えてみると20年前の小学生っていうのは俺のことだと気付いて愕然とした。旧世代として比較対象になっているのは俺だった。自分ではまだまだ小僧のようにフレッシュな心持ちで暮らしていたが、いつの間にか旧人類と呼ばれる側になっていた。白黒フィルムに目をこらすと、画面の片隅で笑顔の俺が手を振っていた。本当にあった怖い話。 旧人類の俺からすると、小学生の体力低下は、新人類の登場を告げているのではないかと思われてならない。子供の頃にマンガで見た未来社会に生きる人類像は、脳の発達にともなって頭が巨大化し、手足は使わないので退化して細くなり、その結果タコのような異形の生物になりはてていた。そうした変化の前兆が、思っていたよりもずっと早く訪れた。ヘタをすると30年後くらいにはタコみたいな頭脳派世代が社会を牛耳り、肉体派世代の旧人類であるところの俺は、彼らの退化した手足の代わりとなることを求められ、アゴで使われているかもしれない。 「老いては子に従え」と言う。まさかタコに従うことになるとは思わなかったが、正味の話、社会に適応した新種が生まれてくる以上、旧種族は社会の中心には居られないのだ。それも時代の流れなら仕方がない。新人類に媚びへつらって生きていこう。「お前のような奴に給料を払うのはムダな出費だ」なんて言われても、卑屈な笑顔を崩さないまま言い返そう。 「タコだけに、ムダなお足が出るようでございます。」
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