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2006年07月07日ログ。   

●2006/7/7

 おひさしぶりです。

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 このあいだ、30歳になった。自分でびっくりした。子供の頃から何も変わってない自分が30歳になるなんて、まったく思ってなかった。これでわかったのは、変わっていようがいまいが、すべての人は30年経つと平等に30歳になるってことだ。この発見は、是非とも30歳未満のみなさまに伝えておきたいことです。人は、ほうっておくと30歳になります。

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 サイトを更新しないまま、ほぼ一年が過ぎていた。

 好きでサイトを始めて、毎日更新しようと思っていた時期もあったが、時が経つと気持ちも変わっていくものだ。現に、ページ左のリンクコーナーからリンクしているサイトも、この一年で3つも無くなっていった。

 人は、変わっていく。更新を楽しみにしていたサイトは閉鎖し、好きだったバンドは解散し、29歳の中田はサッカー選手としての自分に区切りを付け、昨日ウインブルドン見たらシャラポワの乳首が全然透けてなかった。悲しいことだが、人は変わっていく。また、変わらなければならない。いつまでも同じではいられない。そういうことを思う。

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 今から15年前、武田鉄矢と浅野温子が主演した「101回目のプロポーズ」というドラマがあった。そのドラマに出てくる、「僕は死にません、あなたが好きだから」とか、「僕は誓う、50年後の君を、今と変わらず、愛している」なんていうセリフは当時の流行語にもなった。人は変わっていくものだからこそ、変わらないものに対する憧れがあるのかもしれない。いま考えると、流行語まで殺伐としている昨今と違って、いい時代だなと思う。

 そうは言っても、だ。あなたが好きでも僕は死ぬし、50年後のシワシワの君に、情は移ってるだろうけど「今と変わらず」ってわけにはいかない。ていうか、たぶん今の浅野温子でもちょっとキツい。だいたい、好きで好きでたまらないなんていう時期は、俺に言わせれば、まあ2年だね。いろんな人の話を聞いてても、2年過ぎると、好きだとか、へったくれだとかいうことは二の次になってる。ほぼ例外なく、人の心は変わっていく。あと、余談になるが平成12年以降に101回プロポーズした人間はストーカー規制法によって告訴されている可能性がある。人も変わるが時代も変わる。

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 先月、元・巨人の後藤がドーピングを肯定するかのようなことをブログに書いて話題になった。

自分の命が縮まるのを知ってても、自分の成績を上げるため、自分の技術を上げるために、 限界に挑戦することが悪いことなんだろうか・・???
後藤孝志 - Wikipedia
(原文は削除されている)

 この問いには様々な答えがあるだろうけど、まず思うのは「OKにすると全員が使わざるを得なくなる」ってことだ。成果を競うスポーツの世界で薬物が容認されたら、「使わない」という選択はハンデになる。

 今、北京オリンピックを控えた中国のスポーツ界では、選手の薬物使用が深刻な問題になっている。勝利至上主義が加熱し、コーチが薬物を渡すケースもあるとか。人権が保護されない国では、選手自身が選択を行うことすらできずに犠牲になる場合も出てくるわけだ。選手を守るためには、やはりドーピング規制が必要であると思う。

 一年ぶりの更新なので平気で古い話をするけど、そういえば去年の今頃、世界陸上が行われ、400mハードルで為末が銅メダルを取った。力を使い果たし、倒れ込むようにゴールする姿は感動を呼んだ。

 その為末がレースの数日後、織田裕二にインタビューされて、こんなことを言っていた。

倒れてもいいと思っていれば、ちょっと早く胴体をゴールラインに持って行けるんです。足が折れてもいいと思っていました。足は折れても治りますから。

 そこまでの気迫であったかと、また感動する。でも、他の選手もみんなそれやるようになったらどうなっちゃうんだろう。全員ゴール後に倒れ込む決勝戦。ゴールライン直後に広がる地獄絵図。オリンピックとか世界陸上ごとに骨折する人続出。そうなったら、これも選手保護のために規制する必要が出てくるかもしれない。

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 シャンプーは、髪に悪い。

 もう常識と言っていいと思う。シャンプーに含まれる界面活性剤は頭皮にダメージを与え、抜け毛・薄毛の原因になる。そんなことはみんな知ってるけど、じゃあシャンプーやめようよ、とはならない。

 それはなぜか。もう、おわかりのことと思う。自由競争だからだ。人よりモテようというレースには、規制がない。他人がシャンプーしてるのに、自分だけ汗くさいのはハンデになる。モテたいと思う限り、髪の命が縮まるのを知りながら、身を削ってレースに参加し続けなければならない。このままでいいのか。規制がないことは、自由の代償として際限のない競争を作り出し、格差を生む。

 そういう仕組みに気付いたので、もうシャンプーやめようと思う。もしかしたら、これから俺は人より汗くさくなり、全然モテなくなるかもしれない。生物の宿命ともいえるモテ競争を放棄するのは勇気がいることだ。それでもやはり、誰かが歯止めをかけるべきであると思う。

 しかも。この格差は、最後に逆転するって話だ。界面活性剤のドーピングで身を削りながらレースを続け、満身創痍でゴールラインへ倒れ込んだ同世代の戦士達が、競技場をあとにして髪の抜けた姿で街をさまよう頃、髪フサフサの俺。

 だから、世の女性達には、よく考えてみてほしい。レースは短いが人生は長い。恋をする時期が終わっても、残りが余生ってわけではない。人間は他の生物と違って、繁殖期を過ぎても、楽しいことは、たくさんある。長い目で見て、今ちょっといいにおいだけど競争が終わった途端にみるみる醜く変わっていく男と、今は汗くさいけどずっと変わらない俺の、どっちを選ぶべきなのか。しかも俺は誓う。50年後の君を、今と変わらず、愛している。

 



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