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2004年12月ログ。   

 高校生の頃の出来事を思い出した。

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 土曜日の授業が終わった後。同じクラスの女子が、たまたまちょっとした用事で俺の家に来ていた時に、なぜかタイミング悪く父が帰ってきた。まだ夕方だったので油断して、うかつにも居間でテレビ見てるところへ父が登場。

 気まずい空気が流れ、それを察知してか、挨拶もそこそこに再び外出する父。

 ものすごいテンション下がった。居間から自分の部屋に場所を移し、何とかその場を取り繕おうとしたものの、そうこうしているうちに再び父が帰ってきた。しかも俺を呼んでいる。うるさいよ!なんだよ!

 父はケーキを買ってきていた。俺にケーキの入った箱を手渡して、また外出する父。ただでさえ父親を見られて恥ずかしいのに、女子が来てるからってケーキ買ってきてくれちゃってるあたり、なおさら恥ずかしい。さらに気を遣って出て行ったのも、いろいろ恥ずかしい。そしてケーキって言っても、近所のスーパーに入ってるケーキ屋の、なんか変なロールケーキ。この世にあるフルーツを全部ちょっとずつ入れてみました、みたいな垢抜けないロールケーキ。

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 自らに流れる血を、自らが受け継ぐ遺伝子を、自らのバックグラウンドを、外の人間に見られることは恥ずかしい。高校生の俺が感じた、あの日の感覚を鮮明に思い出した。今年のFNS歌謡祭で、来日していたビヨンセの前でマツケンサンバを熱唱する松平健を見た時に。


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